遅くなりましたが、あけましておめでとうございます。新年からこちらのブログに興味を持ってくださり、ありがとうございます。ホントに有り難いです。今年もよろしくお願いします。
ブログの最後に、今日販売を開始した新作の情報も書きますので、お付き合いいただければ幸いです。
今回は、前回書いた「現代アートのすすめ」の続きを書かせていただきます。
現代アートのオススメ体験法は…
★アートの見方に正解は無い。「正しい感想」など確立されない。
★大事なのはその作品に触れて、小さいことでも「なんだこれ?」だけでも、考えること。
★分からんかったら「まあいっか。次行ってみよう!」
★その後ふとした時に…
「あれ?あの作品ってこのこと言ってたの?」
「そういえばあの時あんなこと考えたよなぁ。」
と、何かのきっかけで、自分に起きた出来事などに繋げて、再び思い出す。そんな作品に出会っていこう!
…こんな感じでしょうか。まとめついでに少し補足してみました。
さて、今回このようにお話したことで、普段ギャラリーとか行かないor現代アートを見に行ったこと無い、という方にも是非ともオススメしたい展覧会を、一つご紹介致します。
この作家さん、特に東日本では、マイナーと言われてしまう作家さんかもしれませんが、私の大好きな作家さんです。もうひたすらただのファンです。とにかくサインもらいたい!笑
それが藤本由紀夫さんの個展「STARS」(シュウゴアーツ/東京・六本木)です。
シュウゴアーツは東京・六本木にある、複数のギャラリーが集まったビル「complex665」内にあります。東京メトロ六本木駅の、六本木ヒルズ方面の出口から出ると近いです。このビルの2Fにシュウゴアーツがあります。(住所:〒106-0032 東京都港区六本木6丁目5番24号)
この「complex665」内には、他にも超有名ギャラリーが複数入ってますので、他のギャラリーさんにもぜひ行ってみていただければと。
さて、シュウゴアーツの藤本由紀夫さんの個展「STARS」について。
始めに藤本由紀夫さんについてほんっとうに簡単にまとめさせていただきます。
【経歴】
1950年 名古屋市生まれ
2001年、2007年には国際的なアートの祭典「ヴェネツィア・ビエンナーレ」に出品。
2007年 国立国際美術館(大阪)、西宮市大谷美術館(兵庫)、和歌山県立美術館(和歌山)で同時個展。
2016年 ICC(新宿・初台)のオープンスペース2016に出品
関西を中心に、国際的に活躍。
…キリが無いのでかなりざっくりと。そして大事なのはどんな作品を作られているのか、というトコロ。今回の個展「STARS」の会場写真を撮影したものがこちら。
壁際に細長い箱が並んでおりますが、これがこの展覧会のメイン作品。よくよく見ると、箱の中の緑色の部分に何か付いているのですが、これが何かといいますと…
「オルゴール」なんですね。
この作品の面白いところは、これを「自分で回す」のです!!
「いや、作品に触っちゃ駄目でしょ」って思われるかもしれませんが、藤本さんのこのオルゴールの箱は、来た人が自分で回して始めて作品が完成するんです!
【作品見る時の注意!!】
①藤本さんの作品には「触って良いもの」と「触っちゃ駄目なもの」があると思われるので、「これは触っていいですか?動かしていいですか?」とギャラリーのスタッフさんに確認しながら鑑賞するのが安心かと。
②現代アート作品でも、たいていは触っちゃ駄目ですよ。触っていい作品にはたいてい横にインフォメーションが付いてたりスタッフさんが教えてくださるので、分からないときは自分で判断せずにスタッフさんに確認しましょう。
…で、このオルゴールですが。実は多くが「曲」ではなく「音が一音だけ」しか鳴らないのです。「チャラーンラーン♪」ではなく…「ポーン」以上。しかも鳴るタイミングもバラバラ。
いくつも箱があって、それぞれに付いてるオルゴールは合わせると全部で54個。
会場の中のオルゴールから、自分の赴くままにオルゴールを選択して回し、また別のトコロに行って回し…回し方、回す順番は完全に自由。好きに回しまくってください!!
そうすると…「ポン」「…」「ピーン」「パーン」「…」「ポーン」と…
「あれ、何か一つの曲みたいにも聞こえる…」
もちろん、これは既存の曲ではありません。回した人が作った、その人だけの曲。
ある意味「作曲が疑似体験できる作品」なんです
そしてこの「音の集まり」が聞こえる空間それ自体が、作品「STARS」なんです。
ただここがポイントで「果たしてそれを曲と呼んでいいのか?」という所。これが「STARS」というタイトルのポイント。ちょっと込み入った話ですがここが肝。
「STARS」=日本語で「星座」ですね。
星座って、星を一つ一つ繋げて、その形で名前をつけてますよね。「かに座」とか「ふたご座」とか。これって、人間が後から、無数の星の中から選択して形を決めて名前をつけていく。
★「たくさんの星の中から選択して名前を決める」
★「たくさんの音(一音だけのオルゴール)の中から選択し繋げて「曲」だと言う」
…これです。笑 さて、ここまで読んでどんな感想を持ちましたか??
ちなみに、会場でいただいた作品説明から抜粋させていただくと…
「STARSは夜空に浮かぶ一つ一つの星をつなぎ合わせ星座の物語を作った人間の視覚認識に基いており、1音ずつランダムに発生する音を頭の中で和音に構成しなおし、パターンやメロディーとして聞かずにはいられない人間の聴覚の可能性を示唆します。」
…ちょっと込み入ってきたなぁ笑
私はコレを読んで、星座を決めるのも音の集まりを曲だというのも人間が、私が決めた「ある種独りよがりな」考えなのかもしれない、とおもいました。でもそれは私は否定的な意見では無いというか。
私が面白いと思ったのは作品「STARS」は目に見えないし、同じ「曲」(だと私が言っている)をもう一度再現することはかなり困難で、私が繋げたものは、二度と同じものを聞くことができない、その場限りの私だけの音楽な所。
どころか、同じ時に別の人が別の所のオルゴールを回していたら…もう自分だけどころか、混ざってしまってさらにその場限りな!笑
何回も同じ星座を追える星よりも、再現が不可能なその儚くて、たくさんの偶然が積み重なって生まれる音楽を、ある種思い込みのような私の頭の中で繋げられた音楽を、私はとても美しいと思いました。
…ちょっとマニアックですんません笑
でもどんな意見を持つのもあなた次第。否定的な意見を持つかも肯定的な意見を持つかも、あなた次第。全て正しい、その人だけの大切な思いなんです。
だからもう…とりあえず行ってみて!! これに尽きます。
これは文章や写真だけでは完全に不十分です。実際に足を運んで体験するまで何もわかりません。入場無料ですし、10分もあれば十分体験できます。私はむしろ一時間くらい居たい!(迷惑だろうか…笑)
この作品の自分で「繋げる」っていうところは、現代アートに限らず、全てのアートを見る面白さのコアだと思っていて。
最初に言った「何かのきっかけで思い出す」っていうのは、自分がそれまで見てきて心に残った作品の思いを、頭の引き出しから選んで取り出して繋げて、次の思考に繋げていく…。その「繋ぎ」の役割が、アートの素晴らしさです。
藤本由紀夫さんの作品に関しては、これの何十倍も言いたいことがありますが笑 導入としてはこのような感じでまとめさせていただきました。
藤本さんの作品にはこの何十倍もの思いが込められています。まだまだ魅力は沢山あります。
個展「STARS」の会期は 2017年12/2(土)→2018年2/3(土)(12/28-1/8は休廊だったようですね。)
よろしければ会場に足を運んで、色々考えたり、スタッフの方に作品についてお聞きしたり、自分なりに体験してみてくださいね。激推しです笑
さて、本日よりminne翠蒼ギャラリーにて、こちらの作品の販売を開始しました!
ヴィンテージのキラキラしたストーンや、ブルーにゴールドの模様が美しいヴィンテージカボションを用いた片耳イヤリングです。冬のオススメ、ファーもあしらって華やかに。
一点しか販売しません。よろしければ下記リンク、又はこのブログのホームにあるリンクからminneの翠蒼ギャラリーに見に来てくださいね。
次回のブログの内容はまだ未定。何について書くか…?うーむ…よろしければまたご覧くださいね。
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