アートな写真集を買いました、というお話です。
夫に「ボーナス出たら買わせてください!」と9月ぐらいからお願いしていた、あるアーティストさんの写真集です。それがこちら。
「Blossom」というタイトル。タイトル通り「桜」の写真を集めた写真集です。まあもうキレイな桜の写真…なんですが、あれ?なんか違和感があるような…
実はコレ、桜の花を紙で作ったものを撮影した写真なんです!!写っているのは、本物の桜の花じゃないのです。いやいやキレイだけどなんじゃこりゃ!という感じですが笑
この写真を撮影したのが、写真家のトーマス・デマンドさん。ちょっと略歴書いてみますね。(参照:美術手帖 2012年8月号 vol.64 no.971、p.73-83)
◎1964年ドイツ・ミュンヘン生まれ。ベルリン、ロサンジェルス在住。
◎学歴:ミュンヘンでインテリアデザインを、デュッセルドルフで彫刻を学び、1993年ロンドン大学ゴールドスミス・カレッジに入学しました。
◎作品の特徴:写真を基に紙で精巧に制作した彫刻を撮影。
◎展覧会:2003年ヴェネツィア・ビエンナーレ参加、2012年東京都現代美術館で日本で初となる個展を開催。
トーマス・デマンドの作品には他にも様々な風景を、わざわざ紙で再現したものを撮影しています。飛行機のタラップとか※1、大統領執務室とか※2…
日本に身近な作品だとかなりメッセージ性が高いもので、福島第一原発の制御室の風景を紙で再現して撮影した作品があります。※3
2012年の日本での個展で発表されたようですね。自分、この個展に行けていなかったので、美術手帖に載った作品写真を見て語りますが…
制作年・展覧会の開催時期から考えると、制作されたのは、大体震災の一年後くらいでしょうか。震災の直後に実際にその場にいた人が撮影した天井の天板が崩れ落ちた制御室の写真を、紙で再現し、それを撮影する。
実際には有るはずの機材の使用感とか壁の年季の入り具合とかが全く見られない故なのか、リアルに作られているのにリアリティのない風景が写った写真。本物っぽいのに本物じゃない…という違和感を感じて欲しい作品ではないでしょうか。
作品のタイトルも敢えてシンプルにしているようです。
少ない情報のみを与えて、見る人にその写真を見て「ここはどこなんだろ?」「何でここに書類が散乱してるの?」「あ、あそこに花飾ってあるんだ」…的なとこからでいいから、自分でそれを見て想像して何か考えて欲しい。「思考する機会を与えてくれる」のが、デマンドの作品の魅力。そしてデマンド自身も、そうなるのを理想としているのではないか、と思うのです。※4
さて、今回購入した「Blossom」も、どうやら桜の風景を紙で再現してから撮影した写真を集めたものみたいです。これがホント、ため息出るくらい綺麗なんですわ…。
紙で出来たお花だから、これを撮ると本当に絵画みたいな、デザインされた包装紙の模様のような雰囲気。いやこれラッピングペーパーにできるよホント。(著作権とかあるから許可なくやっちゃ駄目ですよ。それは犯罪。)
しかし大きな特徴は、紙の桜を、ライティングを変化させて撮った写真を、まるで一つのストーリーを描くように並べてあること。
ほの暗い、明け方のようなライトのもとに撮られた桜から始まって、明るい光の中の桜、段々暗くなって、最後は暗闇の中でかすかに見える桜で終わる…一日の流れを表すような、素敵なストーリー…これもリアルなようでリアルじゃない、です。
ちなみに、こちらの写真集、トーマス・デマンドと別のアーティストさんの共作みたいでして、ページの合間に詩的な英語の文章が付いているのです。これがまた、私の学力だとすぐに訳すのはちょびっと厳しくてですね…笑 これからじっくり読んでいきますね…苦笑
この文章がまた、写真集全体を一つのストーリーになるよう演出してるんだろうなぁ。
装丁にも特徴が合って、全部のページが紙が二つ折りの状態で本にされていて、間を覗くと、そこにも桜が印刷されてたりするんです!何このこだわり!買って良かった!!
しかしこれがお高かったのだ…諭吉さん超えたんだこれがびっくりだよ…笑
「別に高いお金で買わなくても…今時素敵な写真ってデジタルデバイスで十分じゃん」って話もあるんだけど…私の親なんて、Macの大画面で見たほうが、写真用紙に印刷するより鮮やかだから印刷しない、とか言ってるしね。最近のモニターの解像度すごいからね…でもね…
…そんなことは無いぞ!!と言いたい。この写真集だけ見ても、敢えてツヤの少ない紙を使ってめくる質感もやわらかいし、写真自体の色合いもキツすぎないのがホントにすばらしい。紙の種類だけでも色合いや質感が変わる!! これだけでも紙の価値がある。
ちなみに…これだけ素敵な写真集だと、もはやインテリアになるしね。今回お気に入りのアクセサリーと一緒に部屋に飾ってるもん。これこそクリスマスや記念日にオシャレなプレゼントとして是非検討してみて欲しい。笑
かなり省略しましたが、今回はアート本についてお送りしました。ちょっと理屈くさかったですね、すいません、こういうの好きなんです笑
※1《ギャングウェイ》2001年、225✕180cm、Cプリント
※2《大統領Ⅰ》2008年、310✕223cm、Cプリント/ディアセック
※3《制御室》2011年、200✕300cm、Cプリント
※4 美術手帖2012年8月号 のインタビューを簡単にまとめて、私の意見を加えた解説です。
さてさてminneの方ですが、新しいピアスを販売開始しました。地元のビーズ屋さん(今住んでいるとこからは遠いので、実際の仕入れは通販なんですけど)で見つけた磁器ビーズをメインにしたピアスです。
ちょっと中国風をイメージしたから、「China Navy」と名付けました。
毎回安易な付け方笑 そしてまたまたタッセルですが…笑 よかったら下記リンクからチェックしてみてくださいね。
次回は再びファッションについて…作るのももちろんですが、可愛いアクセサリーを発掘するのも楽しみな私の、アクセサリー熱!全開でお送り致します。よろしければご覧ください。
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